2023年12月のブログ記事
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(年末年始のお知らせ) 当方、次により年末年始のお休みとさせて いただきます 本年は大変ご愛顧下さり感謝申し上げます 来年もよろしくお願いいたします 仕事(ブログ)納め 12月28日 仕事始め 1月 4日 休みは今月28日-来年1月 3日
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231225 木枯が海へ傾く坂下る ヒーターの音する居間に追寝せり 蜜柑食ふ種のなければ優しくて 一カ月蕾なりしがお茶の花 都市も亦自然の内と虎落笛 (文化比較)
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231224昭和の餅搗三 餅搗は戦後農家の幸福の象徴故この篇まで 石臼に餅を捏ねゐる父真顔 搗き上げて悲鳴の父が酢餅食ふ 蟇(ひき)居着く土間の井戸側餅を搗く 餅搗の音一年の区切の音 餅搗の音一年が完遂す (両国)
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231223昭和の餅搗ニ 餅搗の三十臼に届かざり 雑煮餅父兄我の各十個 餅搗の未明の音で夢覚めき 蒸釜の五段の米が蒸し上る 搗上げて先づ橙の酢餅より (先師)
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231222昭和の餅搗一 父母思ふ三十臼の餅搗も 粟餅も搗きたり黄色に光る餅 餅に搗く前の飯をば父食ひし 餅搗いて音は家族を誇らしむ かき餅もあられも搗きし昭和かな (メデイアと官僚)
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231221 年明けぬ愛犬の死を認むるか 愛犬は然るに神ぞ初明り 鶴見嶺を見する光の初明り もう一年生きてみようか年男 静けさが冬の身に沁む孤独なり (無位無賞と善三郎)
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231220 蝋梅や字を岩渕とふ辺り 千三百余度の年越し両子寺 般若塚も払(はらひ)も寒し両子道 後高齢ケアの老に時雨かな 他己に生き何の寒さぞ我が一生(ひとよ) (他己へ)
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231219より新年詠 過去の実感に基づき先取作句、即ち今日より新年詠とします 愛狗との境一線去年今年 一茶忌のしばしに続き辰年来 甲辰の年なり我の辰の年 悲しみは尊厳になれ初明り 年明けて天の唐鋤闇を鋤く (渕上大姉)
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231218用 冬暁の海から明くる出湯街 吉吉と我を励まし冬雀 天国はどうだい良君寒うないか 冬の蚊のいまだ黄色い声に攻む 芸か否俳句は生きぞ鳰の水 (声主の論)
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231217詠 冬暁のふとろ下弦の月に添ひ 辛うじて枝に日を浴み冬紅葉 落下待つ葉のニ三枚梅冬木 冬麗やぐい飲に注ぐナポレオン 密かなる至福今宵のとろろ飯 (表現)
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231216詠 狗を祀る神主に似て十二月 さきはひにさちはひもあり年迫る 火吹竹ふき五右衛門の風呂沸かす 竹伐つて橇に穿かせよ子供らよ 弥栄の令和甲辰の明けを待つ (酒と金銭)
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231215詠 寒雀負けるな爺も生きてゐる 徒労すも越冬蛹見つからず たふとけれ一輪のみの石蕗の花 餅搗はニ粁と決めた止めないぞ へそ曲り現役もどき十二月 (キヤリアー)
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231214詠 意識とふ量子の波動年惜しむ 国盗りは冬の街樹の下進む 大悪を術なく流し冬ざれに 冬昴へと帰りたる人一人 九段下に唱ひし昴老いて冬 県人会・Sアナ司会 (経済)
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231213詠 君らまだ空腹なのか寒雀 命とは選び得ぬもの冬の蝶 水鳥ら水に誘はれ眠るらし 海鼠とふ不可解物を愛でて食ふ 冬草となりたる庭の芹林 (銀漢)
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231212詠 ブランデー飲めば優しや冬日差 しんしんと長夜は伸ぶる夜の更に 欠落を紛らはすかなお燗酒 餅搗はニ臼にせむ一人言つ 贅沢の一つが叶ふ柚子湯かな 失礼、今日は12日でしたね。よくやらかしてすみません(笑) (見守りケア)
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231211詠 乞ひのみて昭和の味や大根汁 大根汁然ともなきに田舎人 茶の種を庭に拾ふも日和かな 先立ちし愛狗を思ふ冬日和 六個置き三角形やお茶の種 (介護)
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231210詠 良つさんと嗚呼別れたり年の暮 辛うじて治りし心冬北斗 嘆きても愛狗はゐぬぞちやんちやんこ 冬の蚊を打ち挟みたり俳句帳 頼れるは暖房機以下エトセトラ (あかりとふとろ) 注)あかりぼしは火星、ふとろほしは金星をいいます。
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231209詠 年晩れて良呂庵とふ書庵生る 良と呂が二柱の神年の暮 愛犬に先に逝かれて年の暮 屋号をば良呂庵とし年用意 冬未明あかりふとろの下通ふ 注)あかりぼしは火星、ふとろほしは金星 (心と言語)
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231208詠 押し迫り愛狗と生きし年惜しむ 愛狗はや過去へとなるか行く年よ 隣国の情報過多の日々師走 老の身をやさしく照らせ冬銀河 日溜りに密かに育つ蕗の子よ (大根汁)
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231207詠 水鳥の寂滅為楽肯へり 日溜りへ歩み来れば土手となり 日向ぼこ欲るも縁側なき世かな 冬芹を蝶の墓場と言ふ勿れ 翁の背追へる夢中の枯野かな (権威)
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231206詠 落葉舞ふ舗道は既に恋もなく 夕時雨過去の別離がなほも湧く 表層の言葉に流れ年の暮 冬芹をひそかに我の成果とす 古木なる梅の一木の冬木立 (江戸表)
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231205詠 焚物採りに来りし冬の山静か 焚物は松の枯葉より探す 焚物採り報はる父母の労ひに 風呂沸す火吹竹にて吹き起こし 孖渓とふ涸川よりの水沸す (良と呂)
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231204詠 息白く小学生は道走る 母ちやんをしきりに思ふ蕪汁 海鼠腸を丹念に抜く飲兵衛は 狸汁二度は食ひたり昭和の日 足袋を穿く踵の内で確と留め (良呂庵) 良呂は私の愛犬(故)で、良はラッキー呂はロブです
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231203詠 俳人よ時代を詠めや冬ざれぞ ヒーターに涙を流す老耄か しんしんと年詰りゆく今に住む 石蕗咲くは今年一茎のみらしき 冬既に蕗の薹の子四つほど (国東熊毛)
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231202詠 兄の電話「忘年会に汝(われ)も来(け)え」 ヒーターの音かうかうと過去が湧く エントロピーはやはり増大年詰る 極月や無明言語へ突き進め 滾滾と冬の泉が内に湧く (両子嶺)
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231201詠 音のなき黄のクラスターピラカンサ 腰いまだ不発の残滓師走はや Xに己を浮かべ電炉浴む 日向ぼこ欲るなら出でて土手へ行け 日溜は石垣に触れ歩むべし (歌詠み)