230930詠 別離していや更けわたる九月尽 晩秋は少しく鬱が気にかかる 一瞥し去りたり秋の黒揚羽 寂しくて秋の揚羽に声をかく 秋の蝶汝(なれ)も時間に遅れたる (短歌の部)
2023年9月のブログ記事
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230929詠 今日が本当の良夜です。月が見られるかどうか(^^) 老の暇舞茸汁で払ふとす 松手入人に好かれぬ枝が伸び 秋の蝶待つ日々にして時余る 蜥蜴の子ラピスラズリの青得たか 地虫鳴く街に居着くも久しけれ (短歌の部)
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230928詠 弔ひは愛狗に捧ぐ秋彼岸 舐めし君去り空の腕秋の風 一心同体の君欠けてより秋深む 良夜とふ君の名の夜更けわたる 音立てて首振る君を恋ふ良夜 (短歌の部)
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230927詠 つつましや白き小連の紫蘇の花 しげり葉に埋もれて香り葛の花 地虫鳴く荘園に住み居着きけり 鶴見岳山麓に住み天高し 蟋蟀を聞けるつもりや老耳は (短歌の部)
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230926詠 秋の夕村に七つの灯が点る 両子寺のしぐれ紅葉はまだ早し 変哲のなき山肌に葛の花 刈田にて遊ぶ子ら見ず山の村 雲行くや然るに深し我が秋思 (短歌の部)
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230925詠 為す事を常に探すや老の秋 「八月の二本芋」とふ九月かな 炭窯に近く山芋掘りにけり 馬挽きし重爺様も老いにけり 赤く熟れそろそろ目立つ烏瓜 (短歌の部)
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230924詠 その奥にまだ何かある曼珠沙華 秋冷を希ふ我が身に秋灼くる 爽やかや街路に風が吹くのみに 愛犬の死が限りなし秋の夜 岩登りの夢覚めしかはそぞろ寒 (短歌の部)
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230923詠 秋彼岸我が思考域実験も 生活の域出ぬ思考秋彼岸 思考みな愛狗に至り秋を積む 一生(ひとよ)とは食にあるらし馬肥ゆる 狂ひたる季節やうやくそぞろ寒 (短歌の部)
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230922詠 搗く一升と一声鳴けり法師蝉 我に馴れ寄り来る揚羽庭の友 蜥蜴さへ我が近く来る庭遊び 秋さへや炎熱地獄代のカオス 黄揚羽が一瞥をして去りにけり (短歌の部)
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230921詠 昔むかし別離のありき秋冷に 若過ぎの無明の別離露けさに 秋灯下静寂が思考迫らする 昼の街だらんとするが佳し九月 年寄が探して何かする九月 (短歌の部)
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230920詠 廁まで従き来し愛狗亡し九月 苦労せし九月は稔り十に富む 言語起源思索 富む元は十の一にて土小春 同じく言語 水やれば揚羽が来る庭になり いくたびも礼言ふ如し黄揚羽は (短歌の部)
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230919詠 今日は正岡子規の忌日(子規忌、糸瓜忌又は獺祭忌)なので5句 生きざまに憧れ来り糸瓜の忌 子規忌けふ久しく為さぬ歌も詠む 大食のその為人獺祭忌 糸瓜忌や我はさしづめ零余かも 氏神も秋のけしきや歳神社 (短歌の部)
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230918詠 愛犬の事切れしより仲秋に 綱吉公に似る一生かも揚羽待つ 蛼(いとど)跳び犬事切れし床がある 終章はかくの如きか虫時雨 芋虫を今年も愛し迎へけり (短歌の部)
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230917詠 我が庭の秋譬へれば「草だらけ」 水やれば揚羽蜥蜴に家守来る 水やれば揚羽咫尺に挨拶す 黒揚羽この頃親し近く飛び 揚羽らとこの頃親し庭守は (短歌の部)
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故里両子5句(風の行方) 家裏の谷子に生れて秋の風 川端のすすきの穂にも暮の風 芋掘人の山下る傍無住寺 秋の風行方は知れず両子谷 紅葉して知る住職が三代目 (短歌の部)
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230915詠 老いらくの片恋もあれ空気澄む 愛犬の首振もなく空し秋 狗を容れて黄泉は楽しか曼珠沙華 狗の舐めし腕が手ぶらに街気澄む 用無しの両の手軽し秋の日に (短歌の部)
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230914詠 秋なほも癒ぬ愛犬別離症 寒暖のニ季節となり秋猛暑 コスモスは風から生れし天使かも 意味のなき言の葉に吹け秋の風 遅れいで怯まぬ秋の入道雲 (短歌の部)
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230913詠 へろへろといづくへ行くや秋の蝶 蜻蛉(とんぼう)の飛ぶ故里や子らのゐず 芋の葉を分けて薙野の畑を過ぐ 国東の道コスモスの右左 父の属しし句会の名なる紫苑咲く(別府の紫苑:小池森閑主宰) (短歌の部)
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230911詠 皿に載せ歴史となりぬ桜餅 改作 実るには至らぬ一木柿紅葉 入道に制圧されて秋の空 秋暑めと抗ひ白花猿滑 白旗で秋の炎暑に降参す (短歌の部)
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230910詠 えのこ草愛狗は君になりゐしか 秋思かな由布山麓は音眠り 由布麓や花野は過去を溜むる場所 萩咲いて心の澱を清算す すすき原社会に出でて来し由布野 (短歌の部)
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230909詠 夜長覚め凝る両顎を指圧せる 風池とは秋風溜まるツボか圧す 秋深み大河ドラマがつひに死す 過去は秋思専門員に学びしも すすき野を狗と彷徨ふや夢の中 (短歌の部)
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230908詠 別れより滲み出づる句に秋深し 狗のみ霊なれ帰り来よ秋長くる 狗の踏みし板間に寝ねて秋思かな 掛軸の狗に見守られ秋深む 老我にまとはり来るや秋の蝿 (短歌の部)
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H2の47号機、今し方スリムも分離し、全て成功のようです。おめでとうございます!
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230907詠 秋の蝿遅出あはれに嫌はれて 老人の早寝長夜の未明覚め 老人の昼夜逆転夜長なり 幻聴に虫の声きく如くをり 燈火親し句作りのみの暇潰し (短歌の部)
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230906詠 幻聴か否かかすかに鉦叩 蟋蟀をこの頃聞かず老耳は 合と首の草書に悩む夜長かな 擽れば梢が踊り猿滑 さしあたり我が行末か朧月 (短歌の部)
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230904詠 わたつみに真水湧くとふ葉月潮 行かずなり久し茅場の思ひ草 乙女らがはなりの髪の山花野 秋の灯のしたしき未明一句とす 秋空といふに居座り入道雲 (短歌の部)
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230903詠 これほどのものかや秋の一句得る 思考してコギトエルゴスム秋深し 一ニ三とは文字か棒切か葉月尽 生きは行き往くさは戦露の家 暖竹が生え潮入の秋の川 (短歌の部)
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230902詠 愛犬の啼く幻聴も夜長なる 鰯雲収束の気のまさる時 野分にて一時揺らぐ街樹かな 木に登る蓑虫見つつ同情す 石ころを根つから好み秋の浜 (短歌の部)
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230901詠 触りたきものに故里の秋の土 爽やかや心はなべてきみの眼に 老につれ疎遠の深き露けさよ やや寒に昔の恋の思はるる 遅るるも臆せず秋の入道雲 (短歌の部)